自動車が出す温室効果ガスの排出量を減らそうという動きがある中で、経済産業省は2030年代半ばには、国内の新車からガソリン車をなくす方針を打ち出しています。
これを受けて東京都でも乗用車は2030年までに、二輪車は2035年までを目標に「脱ガソリン車」の方針を打ち出すようです。
ところで「脱ガソリン車」が環境に良いのは分かるけど、気になるのは全国にあるガソリンスタンドがどうなってしまうのか?このままがガソリンスタンドはなくなるのでは?という疑問が出てきます。
もしガソリンスタンドがなくなってしまったら、それこそ、ガソリン車を持っている人にとっては不便、というか非常に困った事態になってしまいます。
そこで本記事では、ガソリンスタンドが今後どうなってしまうのか?という疑問に対して調べています。
脱ガソリン車の世の中になると、ガソリンスタンドはどうなる?
脱ガソリン車の普及が進むと、既存のガソリンスタンドはどうなるのでしょうか?
無くなってしまうのでしょうか?
答えは、ガソリンスタンドはなくなりません。
なぜなら、脱ガソリン車というのは、「脱」「ガソリンを使う車」ではないからです。
脱ガソリン車の対象はガソリンを使う車ではないの?
では、「脱ガソリン車」とは何なのか?
脱ガソリン車は正確に表現すると、その字の通りではなく、「脱」「ガソリン専用車」なのです。
じゃあ、ガソリン専用車ではないガソリン車って何なの?となりますね。
それは「ガソリンだけではなく、ガソリン以外の動力でも動く車」のことを指します。
車は、動力源の種類によって、次の5種類に分けられます。
これらを「脱ガソリン車」の対象になるかどうか分けてみましょう。
- ガソリン : 対象
- ディーゼル : 対象
- ハイブリッド : 対象ではない
- 電気 : 対象ではない
- 燃料電池 : 対象ではない
上記のように、脱ガソリン車と言っても対象となるのは、ガソリン車とディーゼル車の二つだけです。
ハイブリッドはガソリンと電気の両方を動力源にしており、ガソリン専用車ではないので対象外となります。
そのため、脱ガソリン車の動きが活発になったとしても、ガソリンが使用されなくなるわけではありませんので、ガソリンを補給する場所であるガソリンスタンドはなくなることはない、と言えます。
脱ガソリン車が施行されると、ガソリンスタンドはいずれ減っていく?
経済産業省が打ち出した「脱ガソリン車」の方針は次のようなものです。
2030年代半ばには、国内の新車からガソリン(専用)車をなくす。
今、2020年ですから、2030年代半ばとは15年後ですね。
15年後から発売される新車からは、ガソリン(専用)車が姿を消している、ということになります。
しかし、ガソリンスタンドはなかなか減っていくことはないでしょう。
脱ガソリン車の時代になってもたくさんのガソリン(専用)車がまだ街の中を走っているはず
しかしながら、まだまだガソリン(専用)車は街の中を走っていることでしょう。
なぜなら、ガソリンを全く使用しない車が市場に浸透するにはとても15年では間に合わないからです。
一つ、例を出すと、世界のハイブリッドの先駆けとなったトヨタのプリウスが登場したのは1997年、当時は当然ながら、ガソリン車全盛です。
ハイブリッドはガソリン専用車ではないので、今回の規制の対象ではありません。
2020年になって、ようやくプリウス等のハイブリッド車が全盛になりました。
つまり、ガソリンを使うハイブリッド車ですら、普及の波に乗るのに25年近く経っているのです。
ガソリンを全く使わない車(電気自動車や燃料電池自動車)がようやく世に出てきた昨今、今後、普及が仮にうまくいったとしても、これらの自動車が普及するのは早くても25年後だとしましょう。
25年後にハイブリッド車がなくなっているとは思えませんし、ましてやガソリン(専用)車はまだまだ街の中を走っているでしょう。
ガソリンを使わない車の普及が波に乗るのが25年後とすると、新車の脱ガソリン車の規制が始まる15年後に、ガソリンの需要は減少傾向にはなったとしても無くなるなんてことは無いと考えられ、したがって、ガソリンスタンドもなくなりません。
【まとめ】脱ガソリン車でガソリンスタンドはどうなる?【なくなるのか?】
経済産業省が打ち出した新車の脱ガソリン車の目標は2030年代半ば、2020年の約15年後とします。
脱ガソリン車とは「脱」「ガソリン専用車」であり、ガソリン”も”使用するハイブリッド車は対象外になります。
したがって、15年後にもガソリンを使用する車が無くなるわけではありませんので、ガソリンの需要はまだまだ続きます。
さらに、ガソリンを使わない電気自動車や燃料自動車が普及するには、早くても25年以上はかかるとみられます。
少なくとも今後25年はガソリンスタンドの需要が極端に減少するということはなさそうです。
減少するとしても、早くても25年以上経ってから、の話になるのではないか、と予想しています。
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