NHKの受信料の徴収については、前々から色々と言われています。
そのような中、内閣官房参与の高橋洋一・嘉悦大教授がこのような主張をして話題になっています。
Eテレ売却で受信料を半減できる
この主張については賛否両論巻き起こっていますが、特に反対意見が多いようです。
そこで、本記事では、Eテレを売却することに対する反対意見やその理由を紹介します。
その上で、それがそもそも勘違いの上に成り立っていることを紹介したいと思います。
Eテレ売却に対する賛成反対のアンケートが意外な結果に!
Eテレ売却の是非について賛否両論が起きている、と冒頭で触れましたが、まず、世間の反応としては、賛成と反対とどちらの意見が多数なのでしょうか?
YahooではWEB上でアンケートを実施ており、その結果よると、以下のようになっています。
投票数:26686人
反対:57.3%(15287票)
賛成:39.5%(10540票)
どちらとも言えない/分からない:3.2%(859票)
引用:首相ブレーンが「Eテレ売却」のNHK改革案、どう思う?(2020年12月6日時点)
大体で分けると、反対6割、賛成4割といったところです。
受信料の徴収について大きな問題になっているNHKの改革案で、Eテレ売却で受信料が半減できるというのは、一見、非常に大胆かつ有効な方法のように見えます。
そして、これを歓迎して受け入れる人も多いのではないかと思いましたが、実際は反対の人の方が多いのです。
Eテレ売却論に反対する理由は?
このように世間の反応としては、反対意見の方が多いのですが、その理由をもう少し詳しく確認してみましょう。
これは、シンプルにEテレ売却による受信料の半減よりも、魅力的な何かが失われてしまうからと考えられ、それらの意見をいくつか抽出してみました。
Eテレの教育番組は子育て育児をする人にとても評判が良い
やはり一番の理由はこれです。
Eテレの教育番組は子育てや育児をする世代の人に圧倒的に支持されているからです。
ツイッター上では#Eテレのために受信料払ってるというスレッドが立ち上がってしまうほど、Eテレ愛が溢れています。
受信料の半額と、Eテレによる恩恵を天秤にかけると、Eテレが圧勝のようです。
これ、本当。NHKでもいい番組やってるけど、Eテレがあるおかげで育児だいぶ助かってるし、私の癒しでもある。これが今の形と違って放送されたりしたら、もうテレビ自体捨てるわ。受信料なんて払うか!
— koyu1208 (@koyu12081) December 3, 2020
Eテレの番組自体が育児の時間管理やルーティンになっている
また、Eテレが大きな支持を集める理由として、対象年齢や生活リズムが考慮された番組編成になっています。
それが子育てする親御さんにとって、育児の時間管理やルーティンとして非常に役に立っている、という点が挙げられます。
これは本当にそう。0655から始まりシャキーンやピタゴラスイッチ、デザインあ、はなかっぱ、みいつけた!、おかあさんといっしょで子どもとの朝が始まるルーティーン。子供といっしょに親も楽しめる番組ありがたい。#Eテレのために受信料払ってる
— ひまわり (@seven7sunflower) December 3, 2020
例えば、ここでEテレの番組表を確認してみましょう。
以下に紹介する詳細は、NHK for Schoolの番組時刻表に詳しく載っていますので、より詳しく確認したい方はサイトを直接参考にして下さい。
朝の時間帯(6時~8時台)
この時間帯は幼保のお子さんがいる家庭向けに番組編成がされています。
主にお子さんが学校や幼保施設に行くまでの朝の忙しい時間帯に合わせて、その年代の興味に合わせた番組により、生活リズムを作ることを目的としているように見えます。
月曜日から金曜日の番組編成は次のようになっています。
- 午前6:35~6:45 にほんごであそぼ(幼保/小/中)
- 7:30~7:35 ピタゴラスイッチ ミニ(幼保)
- 7:45~8:00 みいつけた!(幼保)
- 8:00~8:24 おかあさんといっしょ(幼保)
- 8:25~8:40 いないいないばあっ!(幼保)
午前(9時~10時台):学校・幼保向けゾーン
この時間帯は、学校・幼保向けゾーンとなっており、学校や幼保施設でも安心して見れる教育番組が放送されています。
午後(3時~5時台):在宅ゾーン
この時間帯は、在宅ゾーンとなっており、学校や幼保施設からお子さんがお家に帰ってきた後の時間帯になります。
帰ってきたお子さんが興味を示してくれるような番組が放送されます。
傾向的としては、朝の時間帯と同じ番組が逆の順番で放送されていて、一日の始まりと終わりをなぞるような番組編成になっているように見えます。
- 午後4:05~4:20 いないいないばあっ!(幼保)
- 4:20~4:44 おかあさんといっしょ(幼保)ピタゴラスイッチ ミニ(幼保)
- 4:45~5:00 みいつけた!(幼保)
- 5:00~5:10 にほんごであそぼ(幼保/小/中)
Eテレ売却はEテレの番組の売却ではないので継続して見られる?
ここまでくると、Eテレを売却することはそれを支持している人たちの多さやメリットから言って、受信料が下げられると言ってもあまりにも無謀のように見えます。
反対する人たちの一番の反対理由はやはり『今後、Eテレが見られなくなる』ということですね。
しかし、この案の発案者である高橋洋一教授によると、Eテレの売却の話は、Eテレの番組の売却ではない、とのことです。
・Eテレの売却とは、Eテレの周波数帯の売却であり、Eテレの番組制作コンテンツの売却ではない
・本コラムを読めば、筆者がEテレのコンテンツを評価し、それを地上波ではなくネットで流せばいいといっているのがわかるはずだ。
この記事をよく読めば、Eテレ売却論=Eテレ番組が見られなくなる、という訳ではないのが分かります。
つまり、放送の形こそ変わるかも知れませんが、Eテレ番組は継続して視聴できる道が残されています。
【まとめ】Eテレ売却論の反対理由は勘違いかも【売却しても番組は継続可?】
以上のように、Eテレ売却論の反対意見や理由は、Eテレが子育てにとって非常に有益な番組、コンテンツを提供しており、視聴者に非常に愛されている、ということに尽きます。
それが、NHKの受信料の半減にも勝る魅力となっていることが分かりました。
また、高橋教授の主張をきちんと読んでいけば、Eテレ番組が消滅するわけではないことも理解できると思います。
Eテレ売却に反対している人々の反応も少し違ったものになるかも知れません。
このように見てみると、そもそもNHK受信料の減額案の一つとして提示された、Eテレ(の周波数帯)の売却は、Eテレを愛する人々が享受しているメリットを奪うものではなく、むしろ、両立させるものと見ることができるかも知れません。
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