日本学術会議と中国の覚書の内容を全文公開!具体的な協力実態はあったのか?

日本学術会議は、軍民融合を進めている中国の研究機関と覚書を交わしていた、中国の軍事研究へ協力していたのではないか?、と話題になっています。

もし、本当であれば、大変な問題ですね。

ですが、どのような覚書が交わされたのか、その内容は具体的に紹介されている報道は少ないようです。

そこで、本記事では日本学術会議が中国の研究機関と交わした覚書の内容の全文全部をご紹介し、本当に中国の軍事研究に手を貸していたという具体的な実態はあったのか、という疑問についてもまとめました。

是非、ご覧下さい。

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日本学術会議が覚書を交わした相手は中国科学技術協会

まず、日本学術会議が交わした覚書の内容をご紹介する前に、どのような相手と覚書を交わしたのか、について正しく認識しておきましょう。

日本学術会議が覚書を交わした相手は、中国科学技術協会 です。

 

日本学術会議のHPに『中国科学技術協会との協力覚書署名式』という情報があります。

引用:日本学術会議HP その他の二国間交流

中国や中国共産党ではありません。

(※であれば、本記事のタイトルも『中国』ではなく、『中国科学技術協会』と書くべきではないのか?と指摘されそうですが、『中国』という国と覚書を交わしたというイメージを持っている人にも正しい情報を伝えたいため、あえてそのままにしています。)

日本学術会議が交わした覚書の内容を全文公開!

では、具体的にどのような覚書を交わしていたのでしょうか?

先ほどご紹介した日本学術会議のHPの画像には、次の2つのリンクがあります。

中国科学技術協会との協力覚書署名式

このうち、日本学術会議と中国科学技術協会の協力覚書 の方には英文で覚書の原文と思われるPDFが紹介されており、要旨 の方には日本語でその内容が書かれています。

そのまま上記のボックスのリンクをクリックして頂いても良いですが、下記に全文を紹介しておきます。

引用:日本学術会議と中国科学技術協会間の協力覚書(要旨)

この覚書を見て、どう思われますか?

それほど特別なことが謳われているようには見えません。

 

上記の覚書は要旨とされていますが、更にまとめると次のようになります。

要旨をさらにまとめると…

1、出版物の交換、学術活動の情報交換
2、科学的協力
a) 研究者間の交流
b) 共同ワークショップ/セミナーの開催
c) 科学情報の共有、科学理解の促進

何か普通のことが書かれているように見えます。

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中国科学技術協会とはどんな機関なのか?

そこで大事になってくるのが、覚書の取り交わし相手である、中国科学技術協会が中国の中でどのような位置づけにあるのか、ということになります。

まず、中国科学技術協会のHPを見てみます。

 

中国語で分かりません…。(中国語が分かる方は解読チャレンジしてみて下さい)

そのため、日本語で紹介しているサイトで確認してみました。

 中国科学技術協会は、科学技術者の民間組織である。現在、同協会は自然科学、技術科学、工学技術または関連分野の167の全国的な学会を設けるほか、科学技術の発展と普及の促進を目的とする32の省クラスの科学技術協会と多くの地方、下部組織、そして430万あまりの会員を擁する科学技術団体である。

引用:Science Portal China(中国科学技術協会)

この文章の冒頭、『中国科学技術協会は、科学技術者の民間組織である』とありますね。

中国(共産党)という国家組織ではないのです。

 

ただし、中国科学技術協会は、中国の国家機関である中国工程院と提携関係にあるようです。

習近平が国家主席に選ばれた2013年3月15日、中国工程院は中国科学技術協会と戦略的提携枠組み合意書の調印式を開いた。中国科学技術協会は430万人ほどの会員を擁する科学技術者の民間組織だ。

引用:「日本学術会議と中国科学技術協会」協力の陰に中国ハイテク国家戦略「中国製造2025」

 中国工程院は工学科学の最高諮問学術機構であり、政府の諮問機構でもある。中国工程院は国の重要プロジェクトの科学・技術問題をめぐって戦略的な研究を行い、工学事業の発展に取り組んでいる。2008年現在、中国工程院の院士(Academic Divisions)は719名いる。

引用:Science Portal China(中国工程院)

そのため、中国科学技術協会が民間組織であったとしても、国家機関の中国工程院と直接に繋がっていることで、結果的に、中国という国家組織と繋がっている、と拡大的に認識されてしまっても無理はないかも知れません。

中国への具体的な協力実態はあったのか?

では、この覚書を元にして、日本学術会議は中国の軍事研究に具体的に協力していたのでしょうか?

日本学術会議の担当者はBuzzFeed Newsの取材に対し、中国の軍事研究への協力について「そのような事業、計画などはありません」と明確に否定した。

(中略)

事務局によると「実際の事業は覚書が結ばれて以降、行われていないのが実態です」と語った。そもそも学術会議の予算面の問題から、国際的な研究プロジェクトなどを実施することは、中国以外の国ともできていないという。

つまり、軍事研究や千人計画以前に、学術会議として他国との間で「研究(計画)に協力」しているという事実がない、ということだ。

引用:日本学術会議が「中国の軍事研究に参加」「千人計画に協力」は根拠不明。「反日組織」と拡散したが…

日本学術会議の担当者の話では、中国の軍事研究への協力は明確に否定しています。

また、加藤官房長官も日本学術会議が中国の軍事研究への支援はしていない、と10月12日に明確に否定しています。

→ 日本学術会議 加藤長官「『千人計画』の支援は承知していない」

 

更に、学術会議が中国の軍事研究へ関与しているという話が拡散する契機の一つとなった自民党の甘利明氏のブログからも記述が訂正されています。

→ 学術会議が千人計画に協力は「悪質なデマ」 甘利氏がブログ訂正も誤情報が拡散

 

つまり、日本学術会議が中国の軍事研究へ協力をしていた、という具体的な実態は誰も説明できていない、という状況です。

日本学術会議と中国の覚書の内容を全文公開!具体的な協力実態は?【まとめ】

  • 日本学術会議は中国(共産党)と覚書を交わしていたのではなく、中国科学技術協会と覚書を交わしていた。
  • 中国科学技術協会は中国の科学技術者の民間組織であり、国家組織ではない。
  • 覚書の内容にも特別なことは書かれていない。
  • ただし、中国科学技術協会は、国家機関である中国工程院との繋がりがあるために、中国という国家との影響を大きく受けていると思われる。
  • しかし、日本学術会議が中国の軍事研究に協力していたという具体的な実態は誰も説明できていない。

 

つい最近まで、日本学術会議という名前すら私たちに知られていませんでした。

しかし、菅首相が日本学術会議の新規会員の推薦6名の任命拒否をした件を発端に、いろんなことが私たちにも分かるようになってきました。

→ 日本学術会議の会員報酬額(給与・手当)はいくら?具体的に計算してみた!

 

もはや元々の任命拒否の話題は大した問題ではなかった、と言わんばかりに、国民の関心が別の問題提起へと広がっていき、大きな話題になっています。

語弊がある言い方ですが、心ある日本学術会議の会員の方にとっては、とんだとばっちりなのかも知れません。

 

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