リクルートが発表した2020年の飲食トレンドは「おもて無しグルメ」。
徹底的に「おもてなし」するということかと思いきや、「おもてなしをしない=おもて無し」らしい。
え?ちょっと良く意味が分からない…。
飲食業がそんなことでいいの?と思いますね?
そこで今回は「おもて無しグルメ」がなぜトレンド(流行)として注目されているのか?その理由について、書いています。
私と同じ疑問を感じた人、是非読んでください。
おもて無しグルメが注目される理由とは?
まず、おもて無しグルメとは、従来「おもてなし」としていわば当たり前と思われていた飲食店の付帯サービスを簡略化して、その分、「料理そのもののおいしさ」を追求する仕組みを言います。
つまり、おもて無しグルメが注目される一番の理由は、飲食店本来の役割、機能の根幹である「料理の質」に拘ることにあります。
例えば、どんなに店員さんの接客サービスが良くたって、店の雰囲気が最高に素晴らしくても、肝心の料理が「まあ、普通かな…」ってことがありますよね?
そんな時、「接客がいい」「店の雰囲気最高!」という心のバイアスがかかって、「まあ、普通」の料理を「おいしい!」と思うことで勝手に内心で納得していることってあると思います。
そういう店は悪く言われることはありませんが、結局、また行きたいな、絶対行こう!とは思いません。
そう、やはり決め手は料理のおいしさ。
その店でしか味わえない、お気に入りの味を見つけられたら、接客が多少悪くたって、店の雰囲気がそんなに完ぺきではなくても、「まあ、いいか。また行きたいな!」ってなります。
おもて無しグルメは具体的にどうおもてなししないのか?具体例を解説!
では、「おもて無しグルメ」とは具体的に料理のおいしさを追求する代わりに何をしないのか。
当然ながら、料理そのもの以外の手間を効率よく省いていきます。
その分、生み出された手間を料理の方に注いでいく!ということです。
例をいくつか見てみましょう。
世田谷区のセルフサービスフレンチの「ルナティック」は、立席ではなく着席でいかに安く料理を提供するかを考えた結果、配膳と食器下げはお客が自ら行うセルフサービスに行き着いた。
その結果、一番人気の「牛フィレステーキフォアグラのせ」や、「ロブスターのロースト」を1500円(税別)で提供できている。
ウェイトレスさんやウェイターさんが料理を持ち運んだり、食べ終わったお皿を片づけたりするのは、まさに料理の味と何の関係もないですね。
自分で料理を取ってくるし、自分で片づけるから、美味しい料理を安く提供してくれ!というのは、まさにその通りだと思います。
品川区のセルフ焼肉「GU3F」は、完全予約制、1日2組限定、5000円(税別)コースのみ、飲み放題付きというプランで営業している。
ドリンクはセルフサービスで、利用者からはコスパが良いと評価されているという。
さすがにメニューにある料理を注文したのに「品切れです」は言えません。
そのため、5000円コース一本にメニューを絞ってしまえば、肉の種類まで固定されるので、余計な仕入れがなくなります。
お店側にとっては非常に効率の良い運営が可能になります。
その分、お客さんに絶対満足してもらえる焼肉を提供しよう、ということですね。
以上の例のように、店側も単純に手間を省いているのではなく、何がお客さんにとって本質的な価値なのかを考えながら実施しています。
どちらの具体例も、美味しい料理を如何に安くお客さんに食べてもらえるのか、そこに力を入れているのが分かりますね。
おもて無しグルメはどんな人たちに支持されているの?
そんなことを言っても、実際には、接客だってある程度のサービスはあって当然だ、という人もいるでしょう。
また、中には店側に言いがかりをつけるモンスターのようなお客さんもいることは事実です。
では、このような「おもて無しグルメ」を指示しているのはどんな人たちが多いのでしょうか?
それは特に若い世代であるようです。
特に20代男性や、20~40代の女性からの支持が高いようです。
というのも、若い世代の人たちは中高年に比べて、一般的にお金持ちではない傾向があります。
また、20~40代の女性と言うのは、お金に現実的と言うか堅実な人が多い印象があります。
そのため、このような人達に受け入れられているのでしょう。
まあ、自分も料理の配膳やお皿の片づけを自分でやる代わりに、もっとおいしい料理を出してあげるよ!と言われたら喜んでそうします。
だって、食べたいですから。
逆に、中高年の人にとっては、料理の味や質も大事だけど、接客サービスも同じくらい大事、という人の方が多いかも知れません。
折角の外食をトータルで楽しもうというマインドの表れかも知れませんね。
まとめ
おもて無しグルメとは飲食店の接客サービスを簡略化、省力化して、その分、料理のおいしさを追求していることに注目の理由があります。
料理のおいしさという本質を追求するために、それ以外の部分で省けることを考えています。
いわば、本質的な価値の追求と言っていいと思います。
比較的若い世代に受け入れられているようです。
若い世代の人たちのコストパフォーマンス意識の表れかも知れません。
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